Nomos – bloody Friday morning

Nomosに厄日の概念が存在していたとすれば、この日はまさにLaylaにとって厄日であったと言えましょう。

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金曜日の朝。
いつものようにミュージック・ショップ『Psychedelic Underground』(以下Psyche)で早番をつとめていたLayla。カウンター後ろの椅子で居眠りをしつつのんびりとした朝を迎えていました。が、店外に不審な人影があらわれます。

『手をあげろ!!!』
『さっさと床にふせろ、早くしないと撃つぞ!!!』
早朝から強盗です。ホールドアップを喰らってしまいました。身を守るためすぐに強盗の言う通り、カウンターの影にしゃがむLayla。強盗はカウンターの上に置かれているCash Till(現金箱)の中身を奪おうとしますが、上手くいきません。頭に血が上った強盗はCash Tillに銃弾をあびせ始めました。跳弾を避けるためしゃがんだ体をさらに縮こませるLayla。大変なことになりました。

現金の強奪をあきらめた強盗は、興味の対象をLaylaに向けました。連れ出してpleasure botに改造してやると詰め寄る強盗に反抗するLayla。両肩に銃弾を浴び、床に崩れ落ちてしまいます。サイボーグであるとはいえ、金属質の皮膚の下には人工の血液や合成筋肉、神経も走っており構造はいまだ生身の人間に近いものです。撃たれれば人工血液が流れ出し、痛みも感じます。

『一体どうなってるの?!』
ここでレンチを構えたひとりの女性が店内に入ってきました。先日Laylaが行きずりの関係をもったロボット女性、Toyです。Psycheのそばを通りがかった際店内の様子がおかしいことに気付き、走り込んできてくれたようです。
強盗はToyに向けて発砲を始めました。店の外に駆け出して行ったふたり。しばらくの間激しい銃声がこだました後、外は静かになりました。残念ながら、Toyも強盗に打ち倒されてしまったのです。

強盗は店内で倒れ伏しているLaylaをロープで縛り、彼女をPsycheの外に引きずり出しました。失血のせいかLaylaの意識が薄れていきます。この強盗の横顔の眺めが、Laylaが意識を失う前に目にした最後の光景になりました。髪は銀色、口にはスカーフを巻き、剥き出しの両腕にはトライバル柄の刺青が入っています。

Laylaが失神から目覚めると、辺りの景色が変わっていました。
ストリートをずっと引きずられてきたせいで背中が痛みます。強盗と彼女はどうやら、Nomosの何処かのアパート通路にいるようです。

通路には強盗がLaylaを引きずって来た経路に沿ってずっと血の跡がついていました。彼女の両肩の傷から流れ出している血です。余りに流血が酷いため、強盗はしぶしぶくたびれた針を取り出しLaylaの肩の傷を乱暴に縫い止めました。ひとまず血は止まりましたが、縫い目は乱雑で丁寧さからはかけ離れています。
針をしまうとLaylaのマスクに強盗は手をかけました。『てめえの顔を拝ませてもらおうか』
脱力しているLaylaですが、必死に抵抗し両腕で顔をガードします。『やめたほうがいいわ….あんた自身のために。何が起こっても知らないわよ….』
Laylaの強がる言葉を聞き、強盗は鼻で笑いました。
『ハッ。俺はな、964年行きているんだ。生きるか死ぬかの修羅場を何千回もくぐってきている。そう簡単にくたばりゃしないぜ』
強盗の髪の色が、銀色からみるみるうちに深い闇の黒色に変化しました。
『俺はLycanなのさ』
『Lycan….?』姿を狼などの獣に変化させることのできる種族のことは、Laylaも知っていました。New Eden時代に読んだ本やTVドラマなどで見知ったそれは架空の存在とばかり彼女は思っていましたが、よもやここNomosで実物を目の当たりにすることになるとは予想だにしていませんでした。

強盗は弱々しく顔面を護ろうとするLaylaの両腕を払いのけ、彼女のマスクを強引に取り外しました。上部のゴーグル部分は彼女の顔と一体化しているため、下部だけが床に転がり彼女の唇が露になりました。
程なく、常に鮮やかな青色だったゴーグル部分が赤色と入れ替わり立ち替わり点滅を開始しました。
『ああ…あれほど言ったの…に…』
ゴーグル部分が赤くなると同時に、先ほどまで息も絶え絶えだったLaylaはすっくと立ち上がりました。ぎょっとする強盗。
一瞬の隙を突いてLaylaは通路のバルコニー部分へ走り出すと、バルコニーの縁の部分へジャンプし勢いをつけ飛び上がり地上へ着地。強盗を上階に残したまま全力疾走を始めたのです。
先ほどまで息も絶え絶えだった彼女の体の何処にこのような力が残っていたのでしょうか。

MetroTek社の医療部門・MediTekの医院まで辿り着くと、Laylaは電池が切れたかのように医院の床の上で昏倒してしまいました。先ほどまで赤い色に染まっていたゴーグルは、このころには既にもとの青色に戻っていました。
強盗が乱暴に縫った肩の傷は案の定ふたたび口を開け始め、血がにじみ出てきています。

しばらくして、男性がMediTek内に入ってきました。
男性はすぐに倒れているLaylaに気付きます。『ああ、何てこった』
頭の上で聴こえた声がLaylaの目を覚ましました。『….ん….あ….』
彼女は弱々しい声で自分が強盗に襲われたことと両肩に銃弾を浴びたことを男性に伝えました。

インターンでしょうか、医師のたまごでしょうか。ともあれこの男性はLaylaの説明を聞き終わると彼女の傍らに腰をおろし、血のにじむ傷口を拭き始めました。『ここのきちんとした医者はまだ出勤してきていないんだ。あんた、運が悪かったな….でも、俺もちょっとした縫合くらいならできる。俺に当たったのは気の毒だが、我慢してくれ』
傷口を拭き終わると男性はLaylaに手をさしのべ彼女の身を起こし、彼女を支えて待合室奥の医務室へ向かいました。

男性はLaylaをベッドに寝かせ、きちんとした縫合と止血処置を施してくれました。
『これから数日間は…充分に休息を取った方がいい。揉め事に巻き込まれないように気をつけな』
Laylaはため息をつきました。『そうね…今朝は、街の端でたったひとりで早番を勤めるのがどのくらいリスキーかっていうことをイヤという程思い知らされたわ』
男性に自己紹介をし、Psycheで勤めていることをあらためて説明するLayla。『音楽ソフトの他にTシャツやRootも売ってるわよ。Rootよりもっとヘビーなモノに興味があれば、何時でも私に連絡して…相談にのるわ』

男性に強盗の特徴 – 髪の色、刺青のパターン、ラフな喋り方など – を伝えた後、ふと思い出したようにLaylaは彼に尋ねました。
『そういえば、聞き忘れてしまっていたけれど、あなたの……..名前……は………』
傷の処置が終わり男性との会話でリラックスしたせいか、Laylaを急に睡魔が襲いました。彼女は質問を最後まで言いきることなく、深い眠りに落ちてしまいました。
寝息を立て始めたLaylaを見下ろしていた男性はコートの内ポケットから小さなカードを取り出すと走り書きをしてLaylaの手元にカードを静かに置きました。

Garyth Trevellion
Cell: XX-XXXX-XXXX

『俺の名前はGarythだよ、Layla』
Garythは規則正しいLaylaの呼吸音を聞きながら彼女に向かってそう呟きました。『俺たちは近いうちにきっとまた、どこかで会うだろう』
Garythは眠っているLaylaを起こさぬよう、静かに医務室から姿を消したのです。

//////ICここまで//////

今回のRP時間は約3時間半、長丁場となりました。
武器で傷つけられPhysical(HPの値)がゼロになると自動的に相手のcaptive/prisonerになる仕組みのNomos。
3分間意識不明(Unconscious)になったり、G$で一定の身代金を支払うとcaptive/prisoner状態を脱することが出来ますが、今回は捕えられたままの状態でしばらくの間強盗役のプレイヤーに市中引きずり回して貰いました。
Psyche、路上、アパート通路、病院 – といくつもの舞台でroleplayが行われ、大変楽しめました。

Nomos – bloody Friday morning (complete chat log)

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~ by Meg Ronmark on May 29, 2010.

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